帽子にメガネ、蝶ネクタイと、全身金色のコスチュームがトレードマーク。懐メロの替え歌に合わせてマジックを披露する一風変わった芸風のその人は、泉区在住のお笑い芸人「シューマン ジュークボックス」こと中野修二さん(61歳)だ。
芸歴はまだ1年2カ月で、プロとしてステージに立つ難しさを感じる日々。それでも「自分のやりたいことをやっていることに生きがいを感じている」とにこやか。現役時代とはかけ離れた世界への転身にも「芸に対する熱意は若ものたちにも負けません」と力強い。
昔から”芸能部長”
芸人にあこがれたきっかけは、高校時代。体育祭の種目で月光仮面の仮装をして登場したところ、観衆から大きな反響が起こった。演じる醍醐味を知ったその興奮が忘れられず、機会がある毎に持ち芸を披露した学生時代。大学卒業後は、県警察職員として会計業務などを担当。持ち前の明るさと得意の宴会芸で、いつしか、”芸能部長”のあだ名がついた。
定年退職を数年後に控えた頃「悔いのない人生」についてよく考えるようになった。その時、やり残した事として頭をよぎったのが、お笑い芸人になることだった。すぐに妻に相談するも「なに馬鹿なことを考えているの」と一蹴。それでも芸に賭けたいという熱意を伝え続けること約2年。ようやく家族のお墨付きをもらった。今では一番の理解者で、新ネタを披露するのも家族が最初と決めている。良い出来だと思っていても、妻と2人の娘から容赦のない感想を突きつけられることもしばしば。ステージでの結果は毎回報告するが「今日は全然ウケなかったよ」と言えば笑って返してくれる存在は、心の支えでもある。
独自の芸風メジャーに
素人芸歴約50年。定年退職の1年前からは都内の小劇場に通い、その技に磨きをかけてきた。退職後は市内のパフォーマー派遣事務所に所属。芸名は、ジュークボックスのようにネタが豊富なヒューマン(人間)という意味と、自身の「修」の字をかけた。かくして誕生したのがお笑い芸人「シューマン ジュークボックス」だ。夢は「お笑いマジックを漫才やコントと肩を並べられるようなジャンルにすること」。61歳の挑戦はまだ始まったばかりだ。
中野さんへの問い合わせは【携帯電話】090・4753・2240へ。
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