横浜市教育委員会は7月7日、市学校規模適正化等検討委員会が提出した、小中一貫教育を行う義務教育学校を緑園地域に新設するための「意見書」を承認した。今後は、横浜市会で必要な条例改正を経て、正式に開校が決定となる。
今回新設が承認された学校は、小学校1年生から中学校3年生までの児童生徒が義務教育の9年間を一貫して一つの学校で学べる「義務教育学校」。開校予定は2022年4月で、正式に決定すれば、現在緑園にある緑園東小学校と緑園西小学校に通う児童らが通学することになる。規模は9学年約900人の見込み。学校予定地は、現在の緑園東小とそこに隣接する敷地で、緑園東小の校舎の再利用も含めた新校舎の建設が検討されている。
市内では3校目
市はこれまで、小中学校の教諭が連携し9年間の義務教育学習に連続性を持たせる「横浜型小中一貫教育」をすすめており、同校は市内で3校目の義務教育学校になる。
義務教育学校の強みは、小学校から中学校へ進学する際、勉強内容や生活リズムの変化になじめないことが原因でいじめや不登校が発生する、いわゆる「中1ギャップ」が起こりにくいとされていること。教諭や周囲の友人関係など、学習をとりまく環境に大きな変化をおこさず、小中一貫カリキュラムに基づいた教育を実施することで、児童生徒の学力向上を図る。
同検討委員会は、通学区域や学校名などを話し合う「開校準備部会」(長谷川幹夫部会長)を昨年11月に発足。メンバーとなった地域住民の代表や学校関係者、PTAの代表などが計5回にわたって話し合いを重ねてきた。
準備部会は審議内容を「緑園地区義務教育学校新設に関する意見書」としてまとめ、同検討委員会に提出。意見書は同検討委員会で審議され、そのままの内容で6月28日、横浜市教育委員会に提出、7月7日に承認された。
学校名に関しては、準備部会が緑園にある両小学校の児童とその保護者、教職員を対象にアンケートを行い、意見を募集。回答を参考に審議を行い「横浜市立緑園義務教育学校」とする案をまとめた。
地元の声も後押しに
現在、緑園には緑園東小と緑園西小の2つの小学校校があるが、中学校はない。両校の卒業生は、公立校では岡津町の岡津中学校や戸塚区の名瀬中学校など遠方の学校に行かねばならず、以前から住民の間でも、緑園に中学校の設立を求める声が上がっていた。
長谷川部会長は「これまで大勢の方々が中学校の誘致活動に関わってこられた。義務教育学校という形で実現が近づいていることに嬉しく思います」と話した。
今後は、横浜市会の定例会で開校に必要な条例改正について審議が行われ、正式に決定となる。
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