泉区版 掲載号:2017年8月31日号

中田コミュニティハウスで「おもしろ理科教室」を開く

森脇 美武さん

中田東在住 84歳

実験で本物の感動伝える

 ○…手作り望遠鏡を作ったり、薄い発泡スチロールで作った鳥の模型を飛ばしながら、植物が種子を遠くまで飛ばす仕組みを学んだりと、工夫を凝らした実験を通して理科の奥深さを小学生に伝える。科学の不思議に目を輝かせる子どもたちを見て「喜ぶ姿を見るのが一番嬉しい」と笑顔。「実験や観察から得た情報を、筋道通して考えるのが本来の理科の学び」。そのおもしろさを伝えたい。

 ○…中学、高校の理科教諭として、管理職に就くことなく65歳まで教壇に立ち続けた。こだわりは本物を見せる実験授業。「色付きチョークを何本か使って絵を描いても子どもに感動を与えるのは無理。子どもが『すごいな』と思ってくれればこっちの勝ちです」。自宅のガレージには自作の実験道具が詰まった段ボール箱が山積みに。驚きが詰まった箱を持ち、現在も公共施設や学校で行う理科教室で子どもらに発見の感動を与え続ける。

 ○…島根県の生まれ。温かみある出雲なまりの言葉が印象的だ。小学2年生の時に太平洋戦争が開戦。「食料となる芋を育てる畑作業に汗を流しながら高等科の学生に勉強を教わった」。このころから理科が好きだった少年は、父や叔母が学校教諭だったことも影響し同じ道へ進む。生物の腹を自然な状態で観察できる「腹面観察器」を自ら考案するなど、いつも研究熱心。いかに生徒たちが興味や関心を持ってくれるかを突き詰める日々が、理科教育に著しい功績をあげた者に贈られる「東レ理科教育賞」にもつながった。

 ○…30年以上、微生物や食虫植物など「生きた教材」を無償で教諭に配布する活動も行っている。もちろん、すべて自身で育成。中学時代の教え子が教諭になって配布会に訪れることもある。教育にかける思いは後進に受け継がれている。齢を重ね、体も弱ってきたと苦笑いをしながらも「できる間は続けていきたい」。まだまだ、情熱は絶えない。
 

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