認知症になっても安心して暮らせる町づくりを進める「NPO法人認知症フレンドシップクラブ」の横浜事務局が8月19日、中田東にある生活維持向上倶楽部「扉」内に開設された。全国で20番目、神奈川県内では初。
2007年に札幌から始まったこの活動は、認知症の啓発だけでなく、認知症患者へのサポートの輪を町全体に広げていこうというもの。サポートといっても行うのは身体介護や家事代行など、「できない」ことの支援ではない。患者本人が「やりたい」ことをサポートするのがクラブの特徴だ。活動を支援するのは養成講座を受講した市民サポーター「サポ友」だ。事務局が窓口となり、利用者とのマッチングを行う。利用者はコーディネート料を支払うことで、外食や買い物、趣味など、支援をしてもらいながら「いきがい」を楽しむことができる。時には旅行したい人を現地のサポ友が案内することもある。
「認知症になっても富士登山やスポーツを楽しむ方はたくさんいます。何かを『してあげる』、できそうなことを『してもらう』ではなく、本人がやりたいことを一緒にやる。対等な立場で共に歩んでいくという考えに共感しています」。そう話すのは横浜事務局の代表を務める山出貴宏さん。自身も認知症患者の通所サポートや各地での講演活動などを行っており、「横浜にも事務局を」と声がかかったという。
「認知症の人は今後さらに増えていきますが、理解があり、支えてくれる町であれば安心して暮らせるはず」と山出さん。クラブの他にも認知症サポーターなど、地域で活動する個人・事業所が存在するが、それぞれの活動がつながり、行政と連携することで認知症への理解と支援がさらに広がっていくと考える。
事務局では認知症を知ってもらうため、施設や店に出向く「出張認知症カフェ」の依頼も受け付けている。メンバーによる紙芝居形式での解説も聞くことができる。また、町づくりには地域の協力が不可欠だ。そのため、現在、地域を巻き込んだキックオフイベントを企画中。「まずは子どもも大人も参加できる祭りのようなものをやりたい。支援してくださる方も募集しています」と呼びかける。
事務局では、19日(月)にクラブが主催する「RUN伴」に参加する。認知症患者や支援者らが町を走り、襷(たすき)をつなぎながら日本中で認知症についてのPRをするという企画で、泉区では昨年に続き2回目。岡津町の「けいあいの郷 緑園」を午前10時に出発し、区内を通り、ゴールの湘南台公園に向かう。午後3時半に到着し、本線へと襷をつなぐ予定。。
活動についての問い合わせは横浜事務局【電話】045・800・0255。
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