ものづくりに情熱を燃やす区内の街工場を紹介するいずみ工場探訪記。今回は産業用機械などに使われる「制御電子回路」を生産する中田西の「日本ブルドン株式会社」(鶴見忠雄代表取締役社長)を訪れた。
大手メーカーの協力工場として、ブルドーザーなどの大型重機から金属加工を行う産業用機械に至るまで、さまざまな製品内に組み込まれる「制御電子回路」を生産している。「例えば、工事現場で重機の近くに人が近づいた時、回路が人の存在を感知して自動で機械を止めたり警報音を流したりする基盤を作っています」と鶴見社長。1日の生産量は約200台。25人の従業員が一つずつ丁寧に仕上げ安定した品質を維持する。
創業は今からちょうど50年前。大手メーカーが作る国内初のオールトランジスタカラーテレビの協力工場として産声を上げた。時代の流れに翻弄され、苦しい時期も経験。バブルがはじけた時は、町工場への生産依頼が海外へ移っていったことも重なり、経営縮小の苦境に立たされた。
立て直しを図るため、協力企業とともに取り組んだのが、家庭用ガス漏れ警報器の開発生産だ。まだ各家庭に警報器が普及していなかった当時、製品化への研究開発と初期の生産に着手。「ガス会社からも事故を未然に防いでいる効果があったと反響をいただいた」と当時を振り返る。「多くの人のためになるものを作っているのだという責任感とやりがい」は今も社員の間に受け継がれる精神だ。
今後は「地元の人のためになる製品の開発にも取り組みたい」。地域に寄り添い51年目も前に進む。
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