最新号:2012年2月23日号
2010年6月 3日号
○…植物や園芸活動を治療や介護、福祉に取り入れる「園芸療法」を日本に広めようと活動して15年。当初18人の受講生から始まった活動は、会員200人を超えた。「これからは、もっと一般の方にも植物の素晴らしさを発信していきたい」と、5月18日からは男女共同参画センター横浜(上倉田町)で一般向けの講座も開始した。
○…子どものころ日課だった祖母の見舞いには、必ずたんぽぽやつゆ草などを花束にして持って行った。「花束を手渡すと元気のなかった人でも笑顔を見せてくれて、みんなが喜んでくれたんです」。園芸について勉強するために進学した恵泉女学園短期大学で「アメリカでは、車いすの人が植物を楽しめるように花壇を少し高い位置に作ったり、盲目の人が植物園で楽しめるように点字で植物の解説を書いたりしている」と聞き、衝撃を受けた。
○…「病気の人も障害のある人も外で植物を楽しめるような環境をつくりたい」という思いが膨らむ一方、当時はそれを実現する方法が分からなかった。短大卒業後、仕事をしながら社会福祉を勉強し園芸療法について研究。日本の福祉施設でなかなか園芸療法を理解してもらえなかったことから1989年に渡米、2年間留学した。「私は単純だから、本物の園芸療法を見たいと思ったら、夢中になっていました」と笑顔で振り返る。
○…現在は、社会福祉施設「共働舎」(泉区)に事務所を置き活動。園芸療法の実践者を育てる講習を開き、知識を広める活動を継続的に行っている。また、毎週水曜日には、踊場地域ケアプラザと共催で、生活支援の必要な在宅高齢者へ認知症・介護予防などを目的とした園芸活動を実施。かつて思い描いていた「環境」を徐々に現実のものにしている。「植物を育てることで達成感や幸福感を皆さんに感じてほしい」と語る笑顔からは、優しさと芯の強さが感じられた。