戸塚高校の理科教諭・古屋好祥(よしなか)さん(51)が今年度の文部科学大臣優秀教員に選ばれ、1月31日に日比谷公会堂(東京都千代田区)での表彰式に出席した。地域や近隣の小中学校と連携して授業を行ったことなどが評価された。戸塚区からは古屋さんのみが受賞。
同表彰は、大学と高等専門学校を除く全国の国公私立学校の教員を対象に、学校教育において優れた成果を挙げた教員に贈られる。全国で879人、横浜市で19人が受賞した。古屋さんは「賞は意識していなかったが、認めてもらえたことはとても嬉しい」と喜びを語った。
今年で教員生活は29年目。戸塚高校は2度目の赴任で、計16年と、これまでで一番長く勤務している学校だ。今回の表彰は、近隣住民や小学生を招いての星の観測会「星を観る会」や、県内の中学生向けの理科実験教室の開催などの連携事業が認められてのもの。日本大学理工学部(千葉県船橋市)の研究室を同校生徒が訪問する同大との共同事業も評価された。
連携事業のメリットは「大学入試を目的としない授業ができること」。通常の授業では、受験を意識し、教科書に沿った内容にしなければならない。「教科書に載っていないことの方が絶対面白い。そこを知って、自分の好きな分野を早いうちから見つけてもらいたい」と話すように、目指すのは、大学教育につながるような人生の先を見据えた授業だ。
天体観測が趣味で、大学では地学を専攻した。その手腕は顧問を務める自然科学部で発揮されている。天文学を中心に研究する同部では、同校の天文台を使い、合宿などで夜中に天体観測も行っている。
また、自らもアンテナを広げようと、2年ほど前から積極的に学会や研究会に参加しているという。同大との共同事業も、そこで出会った人脈によるもの。今もその人脈を使った連携事業を模索中。「戸塚高校は勤務年数が長く、思い入れも深い。取り組みを通して恩返しをしていきたい」。今後も力を注いでいく。
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