西武東戸塚店の店長 内川 久生さん 西東京市在住 54歳
グッドラックと前を向いて
○…店長に就任した2月から、2400人の従業員と共に地域に根ざした店づくりにまい進している。毎朝、1階食品フロア入り口で来店客を出迎えることから1日をスタート。館内を隈なく歩き、その日の商品陳列数や値段を把握しながらスタッフを見守る。「最大の仕事はお客様と従業員の『安心・安全』を守ること」。1日の来店客数は平日でも3〜3・5万人。瞳に宿る責任感が、眼鏡の奥で光る。
○…長野県旧穂高町の生まれ。小学2年生のころ、両親、妹と東京都葛飾区へ引っ越した。「遊びと言えば、めんこにベーゴマ。駄菓子屋でもんじゃもよく食べました」。ちゃきちゃきとした口調はなるほど下町仕込みのようだ。学生時代は軟式テニスで汗を流す傍ら、友人の影響でジャズや五木寛之の小説にも傾倒した。
○…西武百貨店への就職は、「不思議、大好き」のコピーで一世を風靡した広告に惹かれたからだが、祖父の代から商人の家系。「血もあるのかもしれないですね」と、誇りをにじませる。「とにかく売れなかった」と苦笑し振り返る駆け出し時代。足を棒にして販路開拓してきた姿を見てくれていた取引先の部長に推薦され、入社3年目にして本部バイヤーに異例の抜擢。その後、32歳でニューヨーク駐在事務所に渡り、新しいデザイナーが百花繚乱する米国の息吹を肌で感じた。いったん帰国するも、再び渡米。今度は一転、日本人スタッフは自分1人という状況で5年間奔走した。幾多の困難も大仰に語らない強さは、米国に学んだところも大きいという。「良い時も悪い時も、別れの挨拶は『グッド・ラック』。この一言に秘められた彼らのたくましい楽観主義。見習うしかない、ですね」
○…妻と娘、息子の4人家族。妻には「本当にまじめな人。家のことで困った事は一切ない」と感謝しきり。休日は洗車と庭いじりに精を出す。多忙な日々だが、いずれは社会貢献にも取り組みたいと展望は広がる。
|
<PR>
4月18日