ベンチプレスアジア選手権 高橋さん、無欲の「金」 自己ベスト85kg 2年足らずでつかむ
8月に台湾で開催されたアジアベンチプレス選手権大会で、戸塚町在住の高橋美和子さん(37)が一般女子47kg級で優勝、金メダルを手にした。「健康のために」とベンチプレスを始めてからわずか2年足らず。普段の練習を意識した自然体が、金を呼び寄せた。
「屋台がおいしそう。ご飯が楽しみ」。初めての国際大会に気負いはなかった。練習通りにやって失格しないこと、自己ベストを更新することを目標に臨んだ。3回の試技のうち、1回目に80kg、2回目に自己ベストとなる85kgを挙げ、優勝を決めた。同じ階級にはパワーリフティングの世界大会優勝者であり、北京五輪重量挙げ銅メダリストのチェン選手(台湾)がいたが、チェン選手は3回目で85kgを失敗、強者に競り勝った。
優勝決定の瞬間、周囲からは大きな拍手が起きたが、耳には入らなかった。それほどに集中していた。「ほっとした」気持ちは、それから少し経ってやってきた。
身長162cm、体重45kg。スラリとした体型はおよそベンチプレスに似つかわしくない。重量を挙げるための稼動部分が長くなるため不利でもある。それでも、不断の努力と胸を反らして稼動部分を短くする技術や柔軟性で打開した。
ベンチプレスを始めたきっかけは「健康」。21歳から椎間板ヘルニアを患っており、筋肉をつけて痛みを和らげられないかと戸塚駅前のフィットネスクラブ「ヴィラックス」に通い始めた。痛みが和らいできたときに同じ利用者からベンチプレスを勧められ、20kgのバーさえ挙げられないことが悔しかった。「はまる性格なんでしょう」。今は週に2回、相模原市のジムで練習している。「今後も健康のために。あせらずに自分の記録を伸ばしていきたい」
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4月18日