放射能への不安、情報を共有 子どもたちを守る会に1千人超が参加
福島第一原発から出た放射性物質って、本当に大丈夫なの?―。そんな疑問や不安を抱える人が集まる「横浜の子どもたちを放射能から守る会」。市民を中心とする参加者は主にメーリングリストを介して情報交換をし、各々が住む地域の放射線量を測定するなどしている。5月の発足以来参加者は増え続け、12月2日現在で1167人になる。
戸塚区に住む酒井香子(よしこ)さんもその一人。幼稚園の年少の女の子と小学1年の男の子を子どもに持つ。酒井さんは今夏、放射性物質に汚染された稲わらを食べた牛の肉が市内に出回ったことを機に、放射能への関心を強くしたという。市が「安全」とする発表を鵜呑みにするのは危険と思い、インターネットで関連事項を調べていくうちに同団体が運営するサイト「横浜ママパパの放射線だより」を見つけた。今は参加者と安心できると思われる食品の情報を交換したり、自宅周辺や通園・通学路の放射線量を測定したりしている。
笹田明香(さやか)さん(同区在住)も、放射能への不安からネットで調べるうちに同団体を知った。1歳と5歳の子どものためにも、安全な食品を知りたいと参加している。同区に住む、1歳の男の子を育てるもう一人の主婦は、原発事故収束のために働く作業員の被ばく限度量を国が上げたことに不信を抱いたことが参加のきっかけだ。
「身近に不安を抱く人が少なかった」と3人は声を揃える。「『心配ね』と話しても、『大丈夫でしょ』で話が終わることもあって」と酒井さん。放射能への考え方は人によって違い、不安を持つ人も人によってその程度が違う。同じ気持ちと情報を共有できることが、3人が参加を続ける理由という。酒井さんは、「まずは横浜の状況を意識して、先々は福島の子どものためにできることがないか考えていきたい」と話した。
同団体は10月、参加者が費用を出し合い、約130万円する食品の放射線量測定器を発注した。磯子区に測定所を設けて、来年3月から食品の測定を広く受け付ける予定だ。
メーリングリストはホームページから登録できる。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>