牛乳組合 他人事じゃないよ 振り込め詐欺防止に一役
「汗水たらして働いた金を一瞬で盗られるなんて。振り込め詐欺は他人事じゃない。盗んだ金を使う人の気も知れないね」
そう語るのは、牛乳宅配ひとすじ38年、平戸で明治乳業(株)特約店・東戸塚宅配センターを営むマイルドショップイシイの石井達(さとる)社長(65)(=写真右)。
石井さんは2006年3月、「商売だけではなく地域貢献もできれば」と、当時専務を務めていた神静(じんせい)明治牛乳販売事業協働組合(大久保郁也事務局長)の皆と話し合い、神奈川県警と「地域安全に関する協定」を締結。組合として自発的に防犯活動を始めた。県下117ある加盟店が合計約11万軒の顧客に牛乳を配達または集金する際、チラシを手渡すなどして、振り込め詐欺に対する注意喚起に取り組んでいる。
いまやスーパーやコンビニでも手軽に買える牛乳。しかし、【1】誤配防止【2】時間厳守【3】丁寧な挨拶・会話を重んじ、地道に築いてきた顧客との信頼関係が、防犯活動の大きな力になっているという。
今年4月には「今から銀行協会の人がキャッシュカードを交換に来る」と語る顧客の一言に「キャッシュカードを騙し取る振り込め詐欺だ」と直感。警察に通報し、被害を未然に防いだ。
そのほか組合として、玄関先で転倒したまま何時間も起き上がれなくなっていた高齢者を助けたり、孤独死を発見したケースもある。
防犯のポイントは「気が付くかどうか」。いざという時の機転や注意力は、日ごろの働く姿勢を通して磨かれていくものだと、石井さんは考えている。
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