クレジットカードの情報を不正に読み取るスキミングをした3人を摘発したとして、戸塚警察署が3月15日、全国クレジットカード犯罪対策連絡協議会から特別表彰を受けた。同表彰の受賞は戸塚署が神奈川県警で初めて。
表彰の対象となった事案は、クレジットカードの情報を不正に読み取った男3人を、支払い用カード電磁的記録不正作出準備などの疑いで逮捕したというもの。その手口は、犯人グループが2010年11月から11年5月にかけて、当時区内にあった温浴施設の男子更衣室でコインロッカーのマスターキーを使って鍵を開け、利用者の荷物を物色。抜き出したカードを「ハンディースキマー」と呼ばれる機器を使って番号や個人情報を抽出し、カードは元の場所に戻していた。犯行中にロッカーの利用者が戻り、窃盗の疑いで警察に通報し、現行犯逮捕された。その後、更衣室内に隠していたスキマーが見つかり、調査をしたところ、中におよそ470件の情報が記録されていたことが分かった。
同署の鈴木達也刑事担当次長は「一般的に鍵付きのロッカーであれば安全という意識を持っている人が多い中で、窃盗とカード犯罪を組み合わせた珍しい事案。また、被害者の多くが個人的事情により捜査に協力いただけなかったこともあり、情報を収集するのに半年以上かかる長期的な捜査となった」と話す。
同署が把握している限り、戸塚区では同事案以降、カード犯罪は起きていないという。
手口の変化も
同協議会によると、カード犯罪の被害総額はピーク時の2000年が全国で309億円だったのに対し、昨年分は80億円前後の見込みと大幅に減少しているという。「スキミングなどのカード犯罪が周知され、一人ひとりが危機意識を持ったり、カード会社や警察署などが防止活動を行ったりしていることが関係しているのでは」と同協議会の担当者は話す。
被害総額が減少する一方で、インターネット上でカード情報を盗む「フィッシング」が近年増えている。これは偽のホームページなどでクレジットカード番号や個人情報を入力させ、入手した情報で買い物をしたり、インターネットバンキングから金を引き出す手口。
防止方法について同協議会は「不審なメールやサイトに注意し、簡単に情報を入力しないこと。また、基本的なことだが、単純な暗証番号にしないことやカードそのものを肌身離さいなど、個々人の意識が大切」と話した。
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