今年度から中学校の授業で武道が必修化したことを受け、横浜市教育委員会は3月1日に「武道安全対策委員会」を設置した。9月から始まる授業に向けて安全管理や指導計画の立て方などを盛り込んだ手引を配布、4月26日から順次、全校長と全指導教諭を対象に、理論や実技の研修を行っていく。
1・2年生の保健体育の授業で必修化された「武道」は柔道、剣道、相撲の3種目の選択制。市内149校のうち、141校が柔道、6校が柔道・剣道の両方、1校が剣道を選択する意向で、1校が未定としている。
「武道」はこれまで選択科目だったため、体育教諭の大半は指導経験を持つが、多くの学校が選択する柔道の有段者は4割程度。柔道をめぐっては、全国でみると過去に授業中の死亡例もあり、必修化されたことで、教諭が目を配らなければならない生徒の数も増えることから、保護者や現場からは安全面を不安視する声もあがっている。
安全面で不安の声
こうした背景を受けて市教委は、警察OBや武道に長けた校長、医師ら10人で構成する「武道安全対策委員会」を3月に設置。100ページに及ぶ「武道指導安全対策の手引」を作り、4月26日から順次、全校長と全指導教諭向けの理論研修をスタートする。また、6月と8月には実技研修も行い、全指導主事と全校長が研修を受けたことを確認した上で、9月から授業を開始するという。ある指導教諭は「指導内容については心配ないが、安全面でどういう点に注意すべきか、研修で確認したい」と話す。
市は昨年度、格技場のない学校に武道用の畳を配備したが、指導場所や安全対策用具の備えは各校に一任している。柔道を選択予定の学校では「指導を体育館で行うか格技場で行うかは未定。ヘッドギアや衝撃緩和用のマットが必要ではという声もあるので、学校予算の中で購入を検討していきたい。場合によっては選択種目を変更する」と話した。
市教委は「授業での武道は試合を行う部活動とは異なり、約束事を決めた上で練習を行う形態。伝統文化に触れる意味もある」とする。その上で「安全管理に最善策を尽くしたい」として、外部から指導者を招くことなども検討しているという。各学校は研修を受けて方針を固めることになる。
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