「いらっしゃいませ、革細工はいかがですか?」横浜市営地下鉄の戸塚駅改札前で、人を呼び込む大きな声が響いた。
6月5日、地域作業所の「やまぶき工房」が手作り小物の販売会を行った。横浜市交通局の許可のもと、昨年の11月半ばから、毎月第1火曜日と第3木曜日に出店している。
やまぶき工房は、精神障害を抱える人が社会復帰や自立支援を目的にものづくりを行う地域作業所で、NPO法人「Green Wind」が運営。統合失調症やうつ病の人が多いという。
宮野和義(37)さんは、同工房で活動して6年目。革製の小銭入れなどを作った。「作るのは苦手」と言い、着色する際に色合いを考えたり縫製したりと、平均で制作には1、2日かけている。「買ってくれた時は素直にうれしい」と宮野さん。宮野さんは高校卒業後、専門学校を経てシステムエンジニアとして東京で就職。勤務した会社で顧客からの「無茶な」要求に対応していくうちに、うつ病と不眠症に悩むようになった。戸塚区に引っ越してからも、家に閉じこもりがちの状態が続いたが、同工房で活動し、販売会に出ることで「人ごみが苦手ではなくなってきた」と顔をほころばせた。
スタッフの増田ふみさん(37)は、「目の前にお客さんが来て商品が評価されるので、やりがいを感じているようです。どんな商品が出ているか流行も意識して次の作品づくりに生かしています」と話した。
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