人口推計 20年ピークに減少へ 戸塚区 利便性の良さで転入も
横浜市は12月、2010年の国勢調査をもとに推計した市内18区の将来の人口と世帯数を公表。市全体の傾向とほぼ同様、戸塚区では20年を境に減少することが明らかとなった。
市が60年(40年以降は参考値)までの期間で推計した結果、区のピーク時の人口は20年に27万9000人で、総人口で65歳以上が占める割合を示す高齢化率は25・7%。以降、人口は減少の一途をたどって60年には25万人に、高齢化率は33・1%に上昇するとされる。
一方、市内他区では50年に人口のピークを迎える都筑区を筆頭に、北部ほど減少のタイミングは遅くなる傾向。戸塚区に隣接する瀬谷区や泉区などはすでにピークを過ぎたと推計された。また、60年の高齢化率は市全体で35・3%だった。
今回の結果から見られる戸塚区の特徴は、人口の減少速度が他区と比較すると緩やかであること。ピーク時から60年までの数値で減少率を算出すると、旭区で約38%、栄区や港南区でも約30%となった一方、戸塚区は約10%で、市全域の約14%よりさらに少なかった。
これについて市は、例えば60年代から70年代以降は大規模な宅地開発が少ない栄区などに対して、戸塚区では高齢化が進む一方で、若い世代の転入が今も続いているためと見る。
その理由としてあげるのが「東京回帰」。昨年実施された市民意識調査でも住まいの環境で重視することについて、もっとも多かったのは「交通・通勤などの利便性」。「過去の調査では緑や自然を求める声が多かったが、現在は利便性に変わってきた。その点で、電車1本で都内に出ることができる戸塚区は転居先として適しているのではないか」と分析する。
また、家族類型別世帯数で見ると、35年には「単独世帯」「夫婦のみの世帯」をあわせると総数11万4311世帯の半数を超えるとされている。市は「家族の少人数化が進み、『助け合う集団』である家族の持つ力が弱くなる。今後はますます地域で団結する意味が大きくなっていくだろう」と話していた。
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4月18日