名瀬町の「Yours(ユアーズ)Garden(ガーデン)」で収穫体験などを行う(よこはま・ゆめ・ファーマー) 門倉 麻紀子さん 名瀬町在住
土に触れる喜び 伝えたい
○…約1万9000平方メートルの敷地を持つ門倉農園で、収穫体験や食育教育を行える場「ユアーズガーデン」を2006年に開設。「家庭菜園の延長。本当に土に触れるのが楽しくてやっている。まだまだ勉強中」と繰り返す。園内には30種類以上の果物と野菜が育つ。開設以来、来場者が四季を通じて旬の果物を味わえるように種類を増やすなど、日々研究や改良を重ねている。「自然の中で旬のものを食べるとリフレッシュするし、土に触れるとのんびりできる―」。信念の裏には、幼少期の体験が原点となっている。
○…北海道の旭川出身。幼いころから自宅の庭で土に触れることが当たり前で大好きな時間でもあった。小学1年生で都内へ越してきてからはマンション暮らしに。そんな中でも家族で栗拾いや牧場に行くのが大好きだったという。社会人となり客室乗務員として5年間勤務した後、結婚を機に名瀬町へ。当時、農園は徐々に規模や作物の種類を縮小しており、家族分の野菜などを作っていたという。それらを畑から持ち帰るうちに地域住民たちから声をかけられたことが、ガーデンを作るきっかけになった。ブルーベリーやいちじく、いちご作りなど、挑戦の幅を広げてきた。投資したものの失敗し、落ち込む時もあるが「苦じゃない。休みがなくても楽しいからできる」と明るい。
○…息子と娘が1人ずついる。「私の作ったものは食べないんです。昔から庭や土がある生活も普通だからかな」と苦笑い。最近は、幼い子どもたちが遊ぶ公園にも自由がないことを悲しむ。「自然の中でいろいろなものを感じてほしい。のんびりする素晴らしさや、発見があるはず」
○…時代の変化に応じた果物の加工品やオリジナルスイーツづくりを模索中。「女性の視点を生かして何か作れたら」。1年に1つ、新しいことをすることが目標だ。「テンションも上がるし、情報も来る」。開拓地に無限の可能性と夢を抱く。
|
<PR>
4月18日