神奈川県合気道連盟理事長を務める 武田 義信さん 川上町在住 75歳
極めれば自然体
○…「合気道には勝ち負けがない。そういった括りをとり払って相手と調和し、一つになることが大事」と真直ぐな眼差し。現在は合気道研究会インターナショナルの代表も務め、一般の指導に加え指導者向けの講習も行う。アメリカ、オーストラリア、カナダ、チリなど世界各地にある各支部道場にもコンタクトを取り、開祖の創造した「流れ」を伝えている。自身の道場にも各国から指導を仰ぎにくるという。「外国人は合気道の精神を勉強してくるため、とても礼儀正しい」と感心した様子で話す。
○…約50年前に鎌倉に初めて道場を開き、以来、拠点を広げていった。東戸塚の道場は32年、アメリカは25年、オーストラリアは40年の歴史を持つ。この道に足を踏み入れて55年。「合気道をすると精神的にさっぱりする」との言葉にも重みが加わる。
○…幼い頃は群馬に疎開した経験を持ち、魚やカエル、鳥を追いかける毎日だった。「山、川、畑を駈け巡って遊んだね」と当時を懐かしむ。学校へは片道2時間かけて通った。陸上、剣道、水泳、バスケ、バレーなど、さまざまな競技に触れるスポーツ少年だった。現在の趣味は本を読むことや、畑で無農薬の野菜を作る事。「今の季節はゴーヤ、キュウリ、玉ねぎ、にんじんなどが収穫できる」と楽しそう。また、そこから微生物にも興味が派生し、土壌の質にもこだわりを持つようになったとか。好きな言葉は「ゆったりいこう、楽しくいこう」。「自然体が大事」との強い思いが込められている。
○…指導においては「あれこれ言わない。自分で探すものだから」と遠くを見つめる。今後は「合気道自然塾」という自然に囲まれた道場も開設予定だ。東戸塚の道場には76歳の女性も生徒として通う。もともとは転んだ事がきっかけで受け身を習いにきた。「そういった小さなきっかけも大切にして過ごしてもらえたら」と地域の人たちにメッセージを送った。
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4月18日