舞岡バス停前の傾斜地に作られた憩いの場「夢の舞う岡」がこの3月、横浜市による「横浜・人・まち・デザイン賞」のまちなみ景観部門で表彰されることが決まった。同所は近隣住民らが協力し2006年に整備。清掃や草刈り等を続け、景観を守ってきた。
「横浜・人・まち・デザイン賞」は横浜市が隔年で開催。魅力あるまちづくりを行う団体・個人を「地域まちづくり部門」、地域の魅力や個性をつくるような景観づくりに貢献した事業者等を「まちなみ景観部門」として表彰している。
「夢の舞う岡」は整備にあたりアドバイザーとして関わったコンサルタント業者(株)あいランドスケープ研究所の菅博嗣さんが応募。計115件から同所を含めた8件が選ばれた。
「夢の舞う岡」は舞岡町県道22号線沿いの「舞岡バス停」脇にある約150平方メートルの敷地に設置されている。季節の草花のほか、晴れた日は富士山を望める展望テラスがあり、近隣の幼稚園に通う親子連れや登下校中の児童、バスを利用する人など、地域住民の憩いの場となっている。
かつては土砂崩れも
「夢の舞う岡」は06年11月に誕生した。かつては雑草が生い茂る傾斜地で、ゴミのポイ捨ても多く、荒天時には土砂が崩れ落ちることも。安全できれいな舞岡の玄関口にしようと、舞岡第二町内会の福祉部が対策に踏み出した。
そんな折、市民によるまちの整備を横浜市が支援する「ヨコハマ市民まち普請事業」が初開催されると、ある会員が耳にする。住民やアドバイザー、造園業者等が協力しながら構想を練り上げ、審査を突破した。
「夢の舞う岡」の発案者のひとりで、当時舞岡地区の民生委員を務めていた外川なみ子さんは「まちに素敵なものができれば、高齢者が歩く機会が増え、寝たきりになることが1日でも長く伸ばせる」という思いがあったという。さらに魅力的な場所になるよう、現地の小中学生が展望テラスに埋め込むタイルにイラストを描くなど、多世代が関わりあいながら完成にこぎつけた。「夢のような景観にしようと、まちのみんなで一生懸命に取り組んだ」と振り返る。
「表彰を糧に」
オープンから数年間は現地でイベントなどを実施してきたものの、近年は町内会員の高齢化などを理由に休止。現在は月に1度の清掃活動にとどまっている。維持管理を行っている同町内会の金子博夫会長は「約10年にわたり、先人の活動も含め、よく続いてきた。今回の表彰を糧に、まちの皆さんと共に活動を続けたい」と話した。
表彰式は5月12日、横浜市長公舎で行われる。同町内会とあいランドスケープ研究所、施工した(株)田澤園に表彰状が渡される。
戸塚区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>