横浜市立舞岡中学校(稲童丸克己校長・生徒数630人)の科学部が、地域環境保全・美化に功績があった団体や個人を表彰する、「2017年度環境大臣賞」を受賞した。舞岡川に生息する「ハグロトンボ」の生息状況や縄張り行動の調査を行ったことが評価されたものだ。
同賞は長年にわたり、環境活動を積極的に推進している個人や団体を毎年6月の「環境月間」に合わせ表彰するもので、今年度市内では同部のほかに2団体、1個人が選出されている。
近隣校とも連携
科学部が評価されたのが「ハグロトンボ」の観測。その名の通り黒い羽が特徴で、かつては市内各所で見られたが、水質汚染などが原因で1960年代後半には一旦姿を消したとされている。その後下水道の整備などにより河川環境が改善すると、近年再び確認されるようになってきており、同校前に流れる舞岡川にも生息している。
同部では、全校生徒、近隣の舞岡幼稚園・小学校・高校にも協力を仰ぎ、「ハグロトンボ」目撃情報を収集。それをもとに部員が現地を訪れ、生息数をカウントしている。それによると、2012年は50匹、13年は130匹、14年は230匹と順調に数を増やし、15年はトンボが卵を産み付ける草木を河川整備のため伐採したことから10匹程度に一旦激減したが、16年には160匹に回復。こうしたことから中野彰顧問は「ハグロトンボは良質な環境でしか生息できない。舞岡川は確実に水質が向上していることがうかがえる」と分析する。
このほか、繁殖や餌の確保のため「縄張り」をする雄の性質に注目し、羽に番号を振ることにより、その行動調査もしている。また、今年初めて理科室で4匹のヤゴを飼育し、トンボに成長させたり、市内中学校科学部などと連携・情報交換をしたりするなど、活発な活動を続けている。
今回の受賞はこうした点が高く評価されたものだ。3年生の柿崎二郎さんは「あまり一般的に知られていないハグロトンボを調べて、その性質を分かっていくことがとても面白かったです。自然環境を改善・維持していくことが大切なことも知ることができました。将来この部で得た知識や経験を生かしていければ」と話していた。
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