戸塚区内の公園で小学生向けの自然学習会を企画する森林インストラクター 昆野 和弘さん 品濃町在住 65歳
五感で味わう自然を伝達
○…全国森林インストラクター神奈川会の一員で、区内の公園で小学生を対象とした自然学習会を企画。今月は23日(日)に、名瀬の里山で木の実を使ったクラフトワークなどを行う。「今回のイベントを機に子どもたちが自然に溶け込めたら」と笑顔で話す。
〇…若い頃は、鉄鋼メーカーで営業マンと人事担当の二足のわらじで奔走し「仕事漬けで心身ともに余裕がなかった」と振り返る。そんな中、35歳で広島県福山市へ転勤。「福山の大自然を目にした途端、何だか肩の荷が下りた気がした」と雄大な大自然に心を動かされた。以来、仕事一筋の生活から一変、森林のまだ見ぬ表情を見たいという思いから登山を開始。「森林に潜む花や渓谷を目にするたびに癒された」と魅力を語る。時に険しい道や熊に遭遇するといった危険もあったが、自然を愛する思いを武器に乗り越えたという。
〇…森林散策などを重ねていくうちに「この自然の魅力を伝えるための知識を培いたい」という思いが膨らんだ。通勤時間を使って猛勉強した末、56歳の頃に自然保全の啓発活動を行う森林インストラクターの資格を取得。合格率は2割の難関だった。実際に指導員として観察会を開く際は、全国の名山を制覇した経験やハイキング中に発見した植物の美しさなど、自らの「自然体験」を直に伝えている。「参加者には五感で自然を感じてもらいたい。森林の眺めや香り、風がそよぐ音などに感動してもらえるような企画作りがモットー」と熱意を込める。
〇…区内に住んで早31年。緑豊かなこの街が好きだという。推奨する自然スポットは舞岡公園や名瀬の里山。「今はインドア派の人が多い。せっかく奇麗な自然があるので、もっと緑に触れてほしい」と話す面持ちは真剣だ。毎回、イベントでは「昆虫の”昆”に野原の”野”と書いて”昆野”です」と自己紹介。「自分でも自然との縁の深さを感じる」と白い歯を見せた。
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4月18日