戸塚町在住の河田勲さん(76)は、有名人の似顔絵を鉛筆で描く活動を7年に渡り続けている。主に映画の舞台挨拶へ赴いては、俳優らに声を掛けてその場で完成させる。これまで約400人を描いており、今後その数はさらに増えていきそうだ。
幼少期から絵を描くのが得意だった河田さん。小学6年の頃、授業で先生の顔をデッサンしたところ、周囲から「そっくり」と絶賛され自信を得た。以来、鞄にペンと紙をしのばせては友人の似顔絵を描いてきた。美大への進学も考えたが、両親の反対により断念。英語教師の道を選び、教壇に立ちながら趣味で絵を続けてきた。
きっかけはキューバ
転機は7年前。定年後に訪れたキューバで偶然、カストロ議長の演説会が行われており、思わず会場へ飛び込んだ。間近で目にするカストロ議長に迫力を感じ「記念に絵にしよう」とその場で似顔絵に。完成したとき、周囲の視線が集まっていた。河田さんは「有名人を描くと周りの反応が大きい」と気付き「今後のモデルは著名人に」と決めた。
だが、これまで有名人との接点は皆無。そこで思いついたのが映画の舞台挨拶だった。関東の大きな映画館からミニシアターまで隈なく通い、俳優を見かけてはその場で声を掛け、筆を滑らせてきた。その数は年約70人、計400人以上。「我ながら図々しいとは思うが、仕上がりに喜んでくれることが多い。やる気につながる」と河田さんは話す。
「目の描き方」がポイント
「突然お願いするので時間を取らせる訳にはいかないから、素早く描くのが鉄則」。速く上手に仕上げるためには、人間の顔で最も千差万別な目から描き始めることがコツだという。つっているか、たれているかなどといった特徴の捉え方次第で出来映えは大きく変わる。中でも重視しているのは、黒目の比率を多くすること。「濃淡を表現しやすい鉛筆で影をつけて立体感を出すことで、目力が増して人間味のある絵になる」とポイントを語る。
これまでミュージシャンの泉谷しげるさんやタレントのリリー・フランキーさんなどを描いてきたが、一番の自信作は俳優の柄本明さん。映画館で偶然出くわしたところを頼み込み、過去最短の5分で仕上げたという。「つぶらな瞳を上手く表現できたかな」とにっこり。
今後描いてみたい人は、プロテニスプレーヤーの錦織圭選手や、プロ棋士の藤井聡太四段など。「今話題の人を一人でも多く描ければ」と夢は膨らむ。
11月から体験講座
河田さんは11月16日(木)、23日(木)、12月2日(土)の3回に渡って、とつか区民活動センターで似顔絵講座を実施する。問い合わせは河田さん【携帯電話】090・1269・4370。
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