12月10日からドバイで開催される「アジアユースパラ競技大会」に出場する 山本 拓海さん 戸塚高校 3年
「負けん気の強さ」で世界へ
○…10日から4日間にわたりドバイで開催される「アジアユースパラ競技大会」の陸上部門で、県内唯一の高校生として出場する。種目は車椅子100m走。期間中は世界から集結するライバルたちと順位を競う。「いずれかのメダルは獲得したい。全力で頑張ります」。きっぱりと言い放つ姿が頼もしい。
○…先天性の足が不自由な障害がある中で、本格的に陸上を始めたのは小学2年の頃。「体を動かさないと」という母の勧めでスポーツ教室に入ったのがきっかけ。「そこで初めて車椅子での短距離走を体験した。最初は転倒も多く苦労した」が、家族やコーチの支えもあり、日々研さんを重ねていく中で着実に実力をつけていった。やがて大会にも参加するようになり、数々のレースを経験。14歳の頃には”大会荒らし”と言われる選手と接戦を繰り広げるまでに。今年7月に出場したアジアパラの予選では「ギリギリで出場権をつかんだ」と振り返り、「思うようにタイムが伸びなくて悔しかった。もっとこぐ腕力をつけて、記録を更新したい」とあくなき向上心を見せる。
○…陸上に明け暮れる傍ら、高校生活も充実しており、憩いのひとときは友達との雑談だという。校舎はバリアフリー設備になっていることから「自分はもちろん家族も安心できるみたい」と頬を緩める。今回の大会も周囲から熱いエールを受ける一方で、「母からは”初めての海外だけど大丈夫?”と心配された」と笑い交じりに話し、「だからこそ良い結果を持って帰りたい」と力を込める。
○…長い間、通常の車椅子で大会に臨んでいたが、昨年から3車輪の競技用車椅子を使うように。正座で乗るため、足の痺れに悩まされることも多い。「でも、格好良い車椅子を乗りこなして結果につなげたいのでやり抜く」と持ち前の負けん気を見せる。夢は2024年のパラリンピック出場。「まずはドバイで満足のいく成果を出します」
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4月18日