世界的に活躍する戸塚区民オーケストラの常任指揮者

井崎 正浩さん

東京都在住 51歳

掲載号:2011年7月21日号

地域から世界まで

 ○…8月6日(土)、戸塚公会堂で開かれるサマーコンサートを指揮する(要入場整理券。当日券若干数)。メンバーからの熱烈な依頼を受け常任指揮者に就任し18年。「本番で本領発揮できず、お通夜のような打ち上げをしていた」ころから、楽しさも悔しさも団員と共有し、レベル向上に努めてきた。日本とハンガリーを拠点に国際的指揮者として活躍するかたわら、年2回ある区民オケの主な公演で穴を空けたのは一度きりだ。

 ○…福岡市出身。5歳から学んできたエレクトーンを素地に、17歳からクラシックに傾倒。福岡教育大学在学中に給費留学したオーストリアで、ウィーン・フィルの「力強くも柔らかい、すべてを包み込む響き」に触れ、指揮者を志す決意を固めた。音大出身でないことが「異色」とされる日本で、プロとして認知されるまでの道のりは平坦ではなかったが、「自分の音楽」を明確に伝える指揮で、共感と信頼を得てきた。

 ○…1995年、ブダペスト国際指揮者コンクール優勝を機に、ハンガリー国立歌劇場や同国立ブダペスト・オペレッタ劇場など世界最高峰の舞台で活躍。07年にはソルノク市音楽総監督に就任し、ハンガリー初の自治体音楽監督として市内の音楽団体を横断的に束ねるなど、いまやハンガリー音楽界に不可欠の存在に。「ハンガリーの人たちは人見知りだけど、仲良くなると家族同然。博多っ子に通じる温かさがありますね」。終始おだやかなマエストロだが、地域から世界まで、人生経験も音楽的見解も一人ひとり違う演奏家の心の鍵を、タクト一本で開けてきた情熱は計り知れない。

 ○…妻と中2の愛娘が暮らす日本に滞在できるのは一年の半分余り。しかし、様々なツールが発達した今、ハンガリーは「少し遠い隣町」といった感覚という。「楽曲への新しいコンセプトやアイデアをしっかり提案し、最高の演奏をお客様に提供していきたい」と、さらなる高みを目指す。
 

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