湘南木の実会戸塚教室の代表を務め、戸塚区民文化センターで展示会を行った 亀谷 治代さん 汲沢町在住 71歳
木に表現される「個性」
○…「木が好きで、木彫りを始めて約35年になる」。今回作品展では会員10人が半年から1年かけて作った作品60点ほどが並ぶ。「それぞれ手作りで時間をかけて木を彫るため、数年かけて作品展を開く事もある。そのため「今回作品展を開催できた事に大きな喜びを感じ、やってよかったという達成感がある」という。また「戸塚能面を打つ会」の代表も務めており、木彫りに対しての思いも人一倍強い。木彫りの醍醐味を「コツコツ作っている時は日常を忘れて打ち込める事、出来上がった時の達成感は何事にも代えがたい」と思わず顔がほころびる。
○…山口県出身。大学受験時に上京。東京の美術系学校に通う。その後知り合いの紹介でアクセサリーデザイナーの職に就いた。そこではイヤリング、ブレスレットが形になる前の原案を紙に描いていた。知り合いが戸塚に木彫りの教室を開いた事がきっかけで木彫りを始めた。近年では能面を打つことにも力を入れる。昔から「木が好きで渋いものに興味があった」と語る眼差しは子どものよう。
○…現在の趣味はカラオケに家庭菜園。カラオケでは演歌をよく歌い、時にはポップスを歌うことも。家庭菜園では、ミニトマトや小松菜などから始まり、ビーツやルバーブなど珍しいものも栽培する。幼い頃は「元気良く男の子を追っかけまわすような子だった」。山や川などでよく遊び、真黒に日焼けをしていたため「顔と後頭部の区別がつかなかった」というこぼれ話も。好きな言葉は「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。
○…「木彫りを教える事には正解がなく、それぞれの個性を生かした指導をすることを強く意識している」。セオリーに反し木目に逆らって彫っていても強制的には直さず、あらあらしく表現される「個性」として尊重。「人の上に立てる人間ではないですが」と謙虚。「独自の世界観を大切に創作を楽しんでいきたいと」と今後の抱負を語る。
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4月18日