統一地方選挙 計画停電に選管戸惑い 栄区、期日前投票は支障なし 投開票日の対応には苦慮
4月10日(日)に投開票が行われる統一地方選挙。区内全域が東日本大震災に伴う計画停電の対象となっている栄区では、選挙管理委員会が、期日前投票期間中や投開票当日の停電への対応に苦慮している。
栄区の期日前投票所は栄区役所と港南台駅そばの214ビルの2ヵ所。214ビルは計画停電の対象地域外のため影響はないが、栄区役所は第5Dグループに属し、影響を受ける。
今月25日から始まった県知事選の期日前投票を前に区選管は、実際に停電している日没後の時間帯に区役所内の非常用電源を用いて、投票ができるほどの明るさを保てるかをテストした。デスクライトで手元を照らし、明るさを確保。選挙人名簿と照合して投票を受け付けるシステムにも影響はなく、投票に支障はないとした。
頭が痛いのは、投開票日当日だ。栄区は小中学校や町内会館など28ヵ所に投票所を設けるが、自家発電設備があるのは栄区役所の1ヵ所のみ。市内各所で同様の状況があるため、市選管は23日に東京電力に対し、投開票時の電力供給について配慮を求めるよう要望しているが28日現在、明確な回答は得られておらず、対応は各区で行わなければならないのが現状だ。
区選管では、停電中に区役所内の窓口に置く乾電池式の電灯での対応を検討しているが、備蓄数は百数十個ほど。「理想を言えば350〜400個はほしい」と必要数には及ばない。乾電池の確保が困難な市場の状況もあり、頭を抱える。
また、各投票所では2台のパソコンを使って選挙人の照合などを行うが、バッテリー切れで使用できなくなる場合も考えられる。「停電中は紙で対応するしかない」とするが、時間がかかるため、混雑を招く恐れがある。市選管も決定的な打開策は打ち出せてはおらず、計画停電の時間を避けての投票を呼びかけるまでに留まっている。
4月2日(土)からは市議選・県議選の期日前投票も始まる。有権者への「投票のご案内」の発送もやや遅れる見通しで区選管は「4月2日〜4日までに手元に届ける予定」としている。
計画停電開始以降、土・日曜の停電は見送られているが、実施の有無が分かるのは数日前。前代未聞の事態に、戸惑うばかりだ。
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