防災講演会 被災地から備え学ぶ 関心高く 600人が聴講
栄区は3月15日、栄公会堂で東日本大震災の被災地・宮城県石巻市から講師を招き「防災講演会」を行った。(社)戸塚法人会が共催。
被災地の実情を知り、大地震を生き抜くために何を備えるべきかを考える内容で、石巻市防災対策課の浜野淳さんが津波や現在の様子などの映像を交えながら、被害や復興状況などを説明した。また、同市で民生委員児童委員を務める蟻坂隆さんが「被災地からお伝えしたいこと」として、住民同士で助け合い、譲り合い、分け合うことの大切さ、ボランティアなどの支援を必要とする場合は助けを必要としていることを発信し、状況を理解してもらった上で支援をしてもらうことの重要性などを話した。
その後のパネルディスカッションには蟻坂さんのほか、蟻坂さんとつながりを持ち、石巻市の支援にあたっている山形県鶴岡市のボランティアセンターセンター長の村井勢一さん、栄区からガーデンアソシエ自治会会長の佐藤明治さんが参加。どのように石巻市と鶴岡市の関係が生まれたか、震災後の意識の変化、今感じることなどを話した。
蟻坂さんは「仮設住宅などにいる人も多く、町内会は今も休眠中。町内の防災マップ作りに携わったが、ひと手間でも制作に関わった人は、関わらなかった人に比べ、マップに対する見方が全然違った」と話した。佐藤さんは自治会長の立場から「防災訓練をはじめ、地域のイベントに少しでも顔を出してもらいたい」と呼びかけるとともに、「食料品など1人3日分の備蓄が必要だが、日ごろ食べられる缶詰などを備えている。時々酒のつまみにして買い換えれば忘れることもない」と自らの備えについて話し、聴講者から共感を得た。
この日は会場を埋め尽くす600人が聴講。防災に対する区民の関心の高さがうかがえた。
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