栄区防災フォーラム 日常から災害への備えを 被災地の声から教訓学ぶ
「栄区防災フォーラム」が3月21日、栄公会堂で開催された。
東日本大震災から3年が経過し、当時の経験などから地域防災活動に生かせるヒントを探る目的で行われたもの。会場には約450人が集まり、被災地で震災を経験した人たちの話に耳を傾けた。
尾仲富士夫栄区長が「これが自分たちで地域、自身を守るきっかけになれば」とあいさつをしてフォーラムは開始。冒頭では犠牲者を悼んで黙とうがささげられた。
まずは(公財)せんだい男女共同参画財団の木須八重子理事長が基調講演を行った。震災当時に仙台市宮城野区区長を務めていた木須理事長は、仙台市の被害状況や当時の混乱した状況などを、写真を交えて報告。「平常時にできていないことは、非常時にはできない。日ごろから災害に対して備える、減災の取り組みをしておくことが必要」と呼び掛けた。
続くリレートークでは、石巻市から市役所勤務の平松進さん、元市民生児童委員の伊藤敏子さん、市社会福祉協議会勤務の阿部由紀さんが、それぞれの立場から震災当時の経験などを語った。平松さんは同市で多くの犠牲者が出た理由について「『自分のところは大丈夫』と思い、避難しないことが常態化していた」などと指摘した。津波が町を飲み込む映像が映し出されると、多くの参加者は真剣に映像に見入っていた。
伊藤さんは災害が起きた当日からの避難の様子を話し、阿部さんは「行政主体ではなく住民主体にならないと、多くの人は救えない」と訴えていた。
4人の話を聞いた茨木繁子さんは「防災・減災には『住民の意識が伴うことが大切』という言葉が印象に残っている。少しでも意識していければ」と話した。
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