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よみがえる瀬上池 社会

土砂を除去し環境改善へ

掲載号:2015年8月27日号

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現地案内図にある通行止めのお知らせ
現地案内図にある通行止めのお知らせ
 横浜市は、瀬上市民の森に位置する瀬上池の土砂を除去し、ブルーギルなどの外来生物を駆除する工事に着手する。9月から来年3月まで一部散策路が通行止めになるなどの措置が講じられ、本格的な工事は11月末から始まる予定。同工事費は平成27年度予算として約8000万円が計上され、工事後の維持管理費として約400万円が見積もられている。

 瀬上池は、江戸時代末期に農業用ため池として機能していたが、昭和50年代を最後にかんがい用水としての役目を終えた。同池は瀬上市民の森の中にあり、「横浜つながりの森」(※)構想の一部に位置づけられ、その中で最大の池だという。水辺と樹林地が一体となった良好な自然環境がある同池について歴史、自然環境、生き物について調査し、生物の多様性に配慮した整備、維持管理を推進する。その一環として池に堆積した泥を除去し外来生物を駆除する工事を行うという。市環境創造局環境プロモーション担当・遠藤寛子課長は「このエリアは市内最大の樹林地。森、池、水路、川によって生物が守られている。市として事業、工事が難しいがボランティア、市民と一体となって進めたい」と話す。

 一方、瀬上市民の森愛護会の高橋昭義会長は「(瀬上池は)38年で約3000㎥が埋まった。(地元)住民の願いは雨水調整機能を有した池になること」と話す。過去に大雨が降った時、逃げ場を失った水が住宅に押し寄せることがあったという。その時の状況を思い出しながら「住民の恐怖たるやいかばかりか」と高橋会長。死者70人以上という大きな被害をもたらした広島市の平成26年8月豪雨の例があるように、ゲリラ豪雨に対する危惧もある。

 生物の多様性に配慮した整備、維持管理とともに、瀬上池の地元住民の声を反映した事業に期待が寄せられる。

※横浜つながりの森…横浜市南部の円海山周辺を中心とし、いたち川から小柴地区(金沢区)までを構想の対象エリアとしている。生物多様性を保全し、市民が自然を楽しむことのできる場を目指している。

瀬上池
瀬上池

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