保護司として長年にわたって活動し、藍綬褒章を受章した 長瀬 修さん 上郷町在住 77歳
信頼築き、更生をサポート
○…非行や犯罪を行った人の更生を手助けし、地域での啓発活動や「社会を明るくする運動」などに取り組む保護司。約20年にわたって活動してきた功績が称えられ、今秋に藍綬褒章を受章した。「知らせを受けた時はびっくりした。国民としてうれしく、光栄なこと」と喜びを表す。
○…保護司になったきっかけは、20年ほど前に菩提寺の住職から打診を受けたこと。当時は活動内容も分からなかったが熟慮の末に「私でも役に立てるなら」と引き受けた。対象は青少年が多く、始めた当初は父親の感覚で上から目線で接してしまい関係作りに苦戦したという。それでもまずは面談に来てもらおうと当日は自宅の前で相手を待ち、意識的に褒めるなど試行錯誤を重ねた。その結果、相手との信頼関係を築くことができ、多くの青少年の更生をサポートしてきた。「この仕事は面談に来てもらわないと始まらない。今では来てくれただけでうれしくて『ありがとう』という言葉が自然に出るよ」と柔らかな表情で語る。
○…絵画鑑賞が趣味で、月に1度は美術館へ足を運ぶ。解説などを細かく見て回るため「妻にはまだ見ているのかとよく言われるよ」。夢中になった作家の1人はフェルメール。現存する作品は30数点と言われる中、これまでに見た作品は半数ほど。「全部の作品は見られないだろうけど、少しでも多く見たいね」と目を輝かせる。
○…昨年まで会長を務めた栄保護司会では、現在は顧問を務め保護司の活動とあわせて活躍。さまざまな企画を共に進める更生保護女性会をはじめ、行政や地域、学校等と協力して更生保護や啓発など地域活動に励む。「自分1人で更生させるのではなく、仲間や地域の協力があるからこそできる。新たな担い手も増やしたい」と、区民の保護司に対する理解を深めることも職務の一つ。今後も仲間や地域と共に、1人でも多くの人の更生サポートに励む。