29日に金沢公会堂で開催される金沢バンドフェスタの実行委員会代表 一木 雅夫さん 柴町在住 62歳
消えぬ地域デビューの感激
○…2年前、区主催の「オヤジバンドフェスタ」に出演し、金沢公会堂のステージでスポットライトを浴びた。大勢の観客の前でギターを弾く快感。「こんな大きな場所で演奏できるなんて」―その時の感動は今でも忘れることができないと話す。「きっと自分と同じように感激するオヤジバンドは沢山いるはず」。そんな思いから、区から同フェスタ継続のため実行委員を打診された際、「力になれれば」と手をあげた。
○…イベントを運営するのは初めての素人ばかりだったが、区から前年の実績例を聞くなどし、怖いもの知らずで実施してきた。年を追うごとに補助金が減額される中で、予算をどう確保していくかがこれからの課題だ。「ゲストなしで人が集まるのか」「有料でも見に来てくれるのか」など、心配は尽きない。だが「オヤジたちの地域デビューの場を存続させなくては」という使命が背中を押す。
○…ギターを始めたのは高校生の時。ベンチャーズが憧れの存在だった。大学ではカントリー&ウエスタンのサークルに入り、ビアガーデンなどで毎日のように演奏していたという。就職してからは会社のハワイアンバンド「ブルーエコーズ」に参加し演奏を続けていたが、次第に表現の場は減っていった。再び「演奏欲」に火がついたのは、5年前に文庫小学校で行われた「地域ふれあい大会」に出場してから。今では月1回のペースで介護施設などを回り演奏しているという。
○…「今後はオヤジ世代だけに偏らず、いろいろなバンド活動を束ねていける団体に成長していきたい」と未来像を語る。力を合わせればできることも広がっていくはずだと考えるからだ。知らない人たちともセッションすることも目標の一つだとか。「そのためには楽譜を読めるようにならなきゃ」と地道な努力を怠らない。ずっと抱えてきた「第2の人生で何かやりたい」という思いは、確実に実を結び始めている。
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