救助犬と捜索活動―NPO神奈川県救助犬ネットワーク
区内六浦在住で、NPO神奈川救助犬ネットワーク代表の渡辺登志男さん(54)は、22日から岩手県大槌町で捜索活動を開始した。約8000人が依然として行方不明の大槌町。町から15Km離れた釜石市の警察署員は「遺体の損傷が激しく、タイムリミットが迫っている。瓦礫の下から一刻も早く見つけるため協力して欲しい」と話したという。
捜索活動は千葉県警の第一機動隊100人と合流して実施。救助犬の鋭い嗅覚を使って、一面瓦礫とヘドロの荒野の中を注意深く捜索して歩いた。渡辺さんは中越地震や台湾地震の時も現地に赴き、捜索活動をした経験を持つが、「途方にくれる悲惨な状況。言葉がない」と被害の甚大さを痛感している。今後は「どんな手伝いができるのか」を役員会を開き、話し合っていくとしている。
観測史上国内最大のM9・0を記録した東日本大震災は、東北地方の三陸沖を中心に甚大な被害をもたらした。全国的な支援活動が広がりを見せる中、金沢区内からも被災地に向かい救護・救援活動にあたった人々がいる。現地での活動の様子を聞いた。
継続的なサポートを―横浜市大付属病院
横浜市立大学付属病院(福浦)の秋山浩利医師(48)と内山宗人医師(36)は3月20日の朝、宮城県気仙沼市へ向かった。結成された医療チーム(医師2人、看護師・医療事務各1人の計4人)は横浜市大のセンター病院と付属病院の混合で、横浜市の要請を受け第2次隊として派遣された。
薬と医療器材を積んだワンボックスカーを走らせ約9時間、拠点となる気仙沼市立病院へ。現地では効率的な診療体制を作るため、担当地区の中心的な避難所である鹿折中学校の保健室に仮設の救護所を設けた。「寒さのため、風邪の方が多かった。今後はインフルエンザの蔓延や被災直後から献身的に活動しているボランティアや保健師の健康も心配」と秋山医師。1日40〜50人を診察したが、被災者の強さとやさしさに勇気づけられたとも。「苦境の中でも笑顔と感謝を忘れない心は、私たちの力になった」という。「復興はまだ遠い。介護士や保健師らも含め継続的に派遣し、交代でサポートしていくことが必要」と話している。
他機関と力合わせ活動―金沢消防署
金沢消防署の井野幸夫さん(53)は、全国の消防隊で組織された「緊急消防援助隊」の第2次隊メンバーとして14日、岩手県宮古市に入った。
宮古地区広域行政組合消防本部の管内は4つの市町村にまたがり、総面積は金沢区の約87倍の2672平方キロメートル。2隊11人を率いる指揮支援隊隊長だった井野さんは、活動方針を決定し、人員の配置や消防、自衛隊、警察、県と市の災害対策本部、医療機関との調整などを行っていた。「緊急消防援助隊の目的は、消火・救急・救助。しかし上がってくる報告は悲惨な話ばかりだった」と振り返る。朝5時から夜23時過ぎまで丸3日間、現地で活動し18日に戻ってきた。街が消えてしまった荒涼とした風景に「一生心に残ると思う」とつぶやいた。
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