8月7日 横須賀ベイサイドポケットで公演する民謡歌手 阿部 きみえさん 大川在住
日本の風景 民謡でつむぐ
○…レパートリーは200曲以上。全国各地の民謡を歌い続ける、今最も忙しい民謡歌手のひとりだ。農作業など、日常生活から生まれたものが多い民謡。そこに住む人々の暮らし、歴史や文化…全国津々浦々の情景が、歌を通してよみがえる。「素朴だけれど、日本が世界に誇れるもの。その歌い手でいられるのは幸せです」。はにかんだような笑顔を見せる。
○…町内会の民謡教室に通っていた両親。父は三味線・尺八、母は歌にのめりこんでいた。そんな二人の背中を見て、自らも毎日のように歌の稽古をした。そして小学5年の時、歌手・長山洋子さんを輩出した名門グループ「ビクター少年民謡会」のオーディションに挑戦。「両親には止められたんですけどね。どうしてもやってみたくて」。200人の中から5人を選ぶという狭き門をくぐりぬけ、見事メンバー入り。数々のレコードが発売され、アメリカ公演も果たすなど、グループ卒業まで華々しい5年間を過ごした。
○…社会人になっていた21歳のとき、「やっぱりプロとしてやりたい」とカムバック。歌手活動の傍ら、コミュニティFMのパーソナリティーを務め、マルチな才能を発揮してきた。昨年からはさらに活動を本格化させ、関東各地でコンサートを開いている。「自分でも意外なくらい」多くの観客が詰めかけるコンサート。会場が一体となるのを改めて肌で感じている。「民謡が好きな人はたくさんいる。まだまだ歌い続けなきゃ」。そう思いを強くした。
○…「一声二節(ひとこえにふし)」。歌にはまず声が大切というこのことわざが、自分にもあてはまるという。「とにかく声がいいってよく言われますね」。さらなる夢は、金沢区にFMラジオ局を開局させること。音と声の力で、地域に新しい風を起こしたい。そんな思いがめぐる。多忙な日々にも、笑顔が絶えない天真爛漫な彼女。その歌声は、この夏もさらに地域を熱くする。
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