大地震などで交通網が麻痺(まひ)した事態に備えるための「帰宅困難者対応訓練」が10月22日、県内3地区で開催された。横浜地区は関内の大通り公園(中区)を出発し、磯子区役所、金沢スポーツセンターなど5ヵ所の休憩地点を経由して海の公園柴口までを歩く15・3Kmのコース。小雨のパラつく中でのスタートとなったが、512人が参加し、ゴールを目指した。
実行委員会は連合神奈川や労働金庫協会、生協連などで構成。「歩きながら考える減災」をテーマに4コース(藤沢は15日に実施)を設定した。実施4回目となる今年は、東日本大震災の影響もあってか、一般からの問い合わせが急増したという。当日参加者と一緒に歩いた連合神奈川の事務局長柏木教一さんは「帰るルートは人それぞれ違う。こうした訓練が一部団体だけでなく、総合的に増えて、個人個人が実際の帰宅ルートに近い形で実施できれば一番いい」と話した。
自分がどのくらい歩くことができるか確認するために参加したという磯子区の早川有紀さん(36)と鎌倉市の栗下宏子さん(45)は、約4時間をかけて海の公園に到着した。「もう少ししんどいかと思ったが意外と歩けた。道路が悪ければこんなにスムーズには歩けないと思う」とコメントした。
東日本大震災当日の3月11日は交通が麻痺し、首都圏全体で300万人の帰宅困難者が発生したと推計された。地震発生の場合、交通公共機関の復旧まで安全な場所で待機することが理想といわれている。しかし、様々な要因が重なると徒歩帰宅も選択肢に入れざるを得ない状況も。実行委スタッフは、「実際に長距離を歩くことで、災害時に必要なものや心構えなどを考えるきっかけになれば」と話した。
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