かなざわささえ隊 「介護中マーク知って」 市内任意団体で唯一、配布
認知症サポーターの会「かなざわささえ隊」は、昨年10月から「介護中マーク」を配布している。昨年4月、全国で初めて実施した静岡県をはじめ、自治体が主導する例が多い中、横浜市内の任意団体で唯一、普及に努めている。
「介護中マーク」は、認知症の高齢者らに付き添う人が「介護中」であることを周囲に知らせるもの。ネームプレートに入れ、首から下げて使う。
外見だけでは分かりにくい障害を持つ人を介護している家族は、外出時に一緒にトイレに入ったり、下着などの買い物の際、周囲の人から誤解や偏見を受けることも少なくない。マークはこうした誤解を避け、安心して外出できると、全国に広がっている。
かなざわささえ隊の山中和子さん(56)が、このマークを知ったのは静岡県の導入を知らせる新聞記事だった。その後、地域包括支援センターから「奥さんの介護で外出するとき、困っている人がいる」と連絡を受け、マークの配布と普及の必要性を実感した。
山中さんは、「行政の動きは待っていられない。困っている人が1人でもいるなら」とすぐに行動を開始。静岡県職員に連絡をとり、説明を受けマークのデータを譲りうけた。
10月に配布を開始してから現在までで、利用者は33人。区内9カ所の地域ケアプラザにチラシを置いたり、講座などを開き、周知を図ってきた。利用者からは「外出に抵抗がなくなった」「心の安心につながっている」などの声が寄せられているという。
一方で、悪用の可能性を指摘する声もある。同会はマークには通し番号を入れ、名簿管理を行っている。「リスクばかりを重視して、いい試みを推し進められないのは本末転倒」と山中さんは話す。
県内ではいち早く海老名市や座間市が「介護マーク」事業を開始したが、横浜市は慎重だ。市健康福祉局高齢在宅福祉課は「県内では『認知症とその家族の会』も配布しているので、問い合わせがあれば紹介している。今のところ実施の予定はない」としている。
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