新潟市で7月31日に行われた全国高校総体5000m競歩決勝で、横浜高校の松永大介選手(3年)が21分17秒05で優勝した。昨年の同大会では1着でゴールするも失格となっており、1年越しの雪辱を果たした。
大会前から優勝候補の最右翼とされていた松永選手。「タイムも優勝も両方狙おうと思っていた」という言葉通り、決勝は序盤から独走状態。リラックスした歩きに、田下正則監督(48)も「今日は負けないな」と勝利を確信した。
レースが動いたのは終盤。宮城・柴田高の安田崇希選手が追い上げ、先頭に立った。だが松永選手は慌てなかった。「相手(安田)はもう2回警告をとられている」。各選手の累積警告を示す掲示板を瞬時に読み取った。
競歩は、両足が浮いたり、前足の膝が曲がると警告され、1レース3回で失格となる。ハイペースの安田選手が3度目の警告を受けることを予想し、無理に追わずに自分の歩きを続けた。読みどおり安田選手は失格。昨年逃した優勝の栄誉を手にした。松永選手は「冷静さがあったから勝てた。次の国体では20分台を狙いたいです」と喜んだ。
「無名」から世界へ
中学時代無名だった松永選手は、横浜高に入学後、競歩を始めた。「とにかくまじめ。練習も生活態度も、様々な面で努力していた」と田下監督。すぐに頭角を現し、やがて全国大会の常連となった。部員一大きな声を張り上げて練習に臨む姿は、いつしか陸上部全体の士気を上げた。
そんな松永選手の目は、世界へ向いている。昨年の国体優勝後は、10Km競歩に挑戦。6月にスリランカで行われたアジアジュニア選手権に派遣され、銀メダルを獲得した。「20Kmにも挑戦して、いずれはオリンピック選手になります」と松永選手。田下監督も、「確実にものになる選手。今後の活躍が本当に楽しみです」と期待を寄せている。
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