神奈川県で女性初のバスケットボール国際公認審判員で金沢小学校教諭 小坂井(こざかい)郁子さん 栄区在住 33歳
負けず嫌い、世界のコートで
○…県内初のバスケットボールの女性国際審判として活躍する。全国でも10人に満たない女性の国際審判。金沢小学校で教鞭をとる傍らの合格は「児童、保護者、周りの先生の協力があってこそ」と感謝する。
○…新潟県出身。高校で飛び込んだバスケットボールの世界。経験者だらけのチームで、早く追いつきたいと朝から晩まで練習した。「負けず嫌いなんです」。人より高く跳べるジャンプショットが一番好きだった。大学進学後は先輩に誘われた審判の道へ。「長くバスケに関われるかもしれない」と歩みだした。
○…周りの応援もあって審判の資格も県公認、日本公認とランクアップ。しかしA級審判試験の試合で自信を喪失する出来事が起こる。自身のジャッジへの激しい抗議。立ち上がるベンチ陣、手を振り上げるプレーヤー。確信を持てない判断が続き、不安が積み重なって招いた結果だった。「自分に負けたなと思った」。審判の道を離れようか悩む中で、迷いを断ち切ったのが仲間の一言だった。「もういい加減腹くくれ」。上を目指すには”変わらなければ”そう決心した。
○…今では年40試合をこなし、全国を飛び回る日々。国際試合も2回経験した。目指すのは笛の内容で信頼される審判。「ファールも偶然はないと思うんです。何か意図があるはず」。プレーヤーの心理やベンチの意図を読み取るべく努力を重ねる。そしていつかはオリンピックの舞台へ。「1試合1試合嘘がないように、全力でやりたい」と意気込む。
○…その姿勢は教育の場にも通じる。「児童は悪いことをするにも絶対理由があるはず。何で注意されるのか一緒に考えるようにしています」。自分の経験を教科書に、試合の出来事も積極的に話す。「目標や悩み、失敗は誰にでもあると分かってほしい」。そんな先生への児童や周りのサポートも厚い。その期待に応えたい。「できませんが言えないんです」。向上心は途切れない。
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