釜利谷南小 母のこころ胸に、卒業 手作りの花贈る
3月16日、卒業の日に、釜利谷南小学校(田中綾子校長)の6年生が姿勢を正す。胸元には淡いピンクと紫の大輪の花が咲き誇っている。「母の思い」が詰まった胸花だ。
釜利谷南の羊毛人形作家、田村一花さん(45)を講師に、卒業生を持つ母親10人が羊毛の胸花を製作し始めたのは今年の1月。「手作りのものを贈りたい」とPTAが企画した。自身も卒業生の息子を持つ田村さん。仕事を抱える中、他の保護者がカーテンを洗ったり、窓を拭いたりと、学校のために手伝いをしてきたのを見てきた。「子どもたちのために役に立ちたいと思っていた。やっと自分の番がまわってきたと嬉しかった」と話す。有志を募り、女子生徒にはピンク、男子生徒には紫のバラを全部で60個ほど用意した。花弁が離れないよう注意し、専用の針で刺し固めていく作業。軽い花を作る人、しっかりした花を作る人―。「同じものは1つとしてないんだと感じました」と田村さん。
作業中は「針も動くけど口も動く」。どんな部活動に入るのか、2クラスのみだった小学校から5クラスある中学校へ通わせる不安、我が子の話が中心だった。「卒業式でパーッと輝く笑顔を想像しながら作りました。母の心を感じてもらえたら」とほほ笑んだ。
春の日差しの中「母の愛」をいっぱいに浴びて、卒業生50人が巣立っていった。
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