連載 かねさわ地名抄 第8回「瀬戸」 文・NPO法人 横濱金澤シティガイド協会
一般に「瀬戸」とは「狭い海峡」を意味し、潮の干満時に急流となる場所を指します。従って日本全国に多くの「瀬戸」という地名があります。
鎌倉時代まで、金沢の平地部分は大半が大きな入江でした。その中央部分が洲で半島のように伸び(洲崎)、狭い海峡ができ、「瀬戸」と呼ばれるようになりました。
鎌倉時代、称名寺ができると、鎌倉との往来も多くなり、ここに橋が架けられました。この「瀬戸橋」は日本最古の海上架橋といわれています。江戸名所図会では、橋の下を流れる急流と、瀬戸橋の賑わいがうかがわれます。「金沢八景」の一つには「瀬戸秋月」がうたわれ、広重の浮世絵にも瀬戸橋にかかる秋月が描かれています。
また、航路の難所ということで海の守り神が祭られていました。後に、源頼朝が鎌倉の守り神として伊豆三島明神を勧請して造られたのが、今の瀬戸神社です。
「瀬戸」は昔から交通の要衝でした。現在も、京浜急行とシーサイドラインの接続する新しい金沢八景駅の建設と、駅周辺の区画整理も進行中です。完成の暁には、金沢の交通拠点となるでしょう。
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