児童の読書率、上昇傾向 習慣養う取り組み拡大
4月23日(火)は「子ども読書の日」。インターネットなど様々なメディアの普及、生活環境の変化などにより「読書離れ」が叫ばれる昨今、幼少期から読書に親しむ習慣をつけてもらおうと金沢区内でも活動が広がっている。
子ども読書の日が定められた2001年度、金沢図書館の児童登録者(0〜15歳)一人当たりに対する児童書貸出冊数は平均して約12冊だった。10年後の11年度は約19冊。児童の登録者数は減少しているものの、児童書の貸出冊数はおよそ2万2千冊増加している。
金沢図書館では児童の読書率を高めようと様々な取組みをしている。小学校に図書館員を派遣して本を紹介する「ブックトーク」や、児童が興味を持ちやすいよう月ごとにテーマを変えて特設展示する「テーマ展示」、乳幼児から参加できる「おはなし会」などを実施。司書の望月弘子さんは「最近は読み聞かせなど、保護者が積極的に関わる傾向がある。幼い頃から本に触れていると、成長した時に本や文字に頼るようになる」と幼少期の読書経験の重要性を訴える。その一方で中学校、高校へと進学するにつれ読書から遠ざかる傾向にあると指摘する。「図書館を自由に利用できない学校もある。しかし子どもは読まないのではありません。読む面白さを知ったり、興味を持った本をすぐ手にとれたり、環境を整えてあげれば読むのです」と話す。
区内小学校も尽力
朝の読み聞かせや、図書室の整備など、図書ボランティアは区内全ての小学校に設置されている。並木中央小学校ではこの他、教科書と関連する本を授業で活用したり、読んだ本の記録や読みたい本を入れておく個人用本箱を用意したりして、読書を習慣化させる取り組みを行っている。図書室には本の紹介やポスターを掲示するなど、児童も積極的に関わっているという。堀部尚久校長は「読書は言葉を使う基盤を養う上で大切。力を入れていきたい」と話していた。
市は今年10月から順次、小、中、特別支援学校に学校司書を配置予定。「学校図書館が充実すれば本離れを防げるのでは」という期待の声も挙がっている。
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