サッカー女子の元日本代表で、今春から神奈川大学の女子サッカー部を指導する 矢野喬子(きょうこ)さん 六浦在住 28歳
引退後もサッカーと共に
〇…サッカー女子日本代表で74試合出場、2007年なでしこリーグ新人賞、6年連続同リーグベストイレブン――輝かしい経歴を持ちながら、「強い気持ちを維持できなくなった」と今年1月、現役生活にピリオドを打った。今春から母校・神奈川大学に事務職員として採用され、女子サッカー部の指導にあたる。「日本は欧米に比べ、まだまだサッカー人口が少ない。指導者のひとりとして選手層の底上げをしていけたら」と話す。”なでしこブーム”の立役者の一人が、新たな一歩を踏み出した。
〇…サッカーをしていた兄の影響か、ものごころがつく頃はすでにボールと親しんでいた。小学1年生から地元六浦のアローズSCに参加。女子はチームに自分1人だけだったが、「スピードもテクニックも男子に負けたことはなかった」と振り返る。だが、市大会以上は女子の出場が認められておらず、ベンチで悔しい思いをしたことも。「自分の方がうまいのに、なんで出られないのって泣いて抗議しました」と苦笑する。
〇…「サッカー選手でなかったら、ミュージカル女優になりたかった」と公言するほどの劇団四季好き。中でもキャッツがお気に入りで、移動中の車中でCDを聞きながら熱唱しているのだとか。「自分にはできないことだから、憧れるんでしょうね」。とはいえ、舞台を見る視点はスポーツ選手そのもの。「アクロバティックなダンスに、どこの筋肉を使っているんだろうって考えちゃう」と生き生きとした表情で話す。
〇…現役時代、よきアドバイザーとして支えてくれたのは父親だった。「サッカーを知らないと逆に指摘がするどい。引退もかなり相談した」。今でも父親を「矢野監督」と呼んでいるという。節目節目で何度も辞めようと思ったサッカー。だが結局、続けたい気持ちよりも大きくなることはなかった。「今はサッカーから離れることは考えられない」と力強く言い切った。
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