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唐草模様の原形の蔓 北米に新天地「スイカズラ」 日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)

公開:2013年5月30日

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甘くさわやかな花の香り
甘くさわやかな花の香り

 初夏、山林の茂みを蔓で被っている「スイカズラ」の美しい花を見つけることができます。開花時の花は純白色ですが、数日経つと黄色に変色するので、「金銀花」の別名があります。これは昆虫を引き寄せるための戦略の一つです。花の香りはジャスミンやクチナシのように甘くさわやかで、花筒を引き抜き、口で吸うと甘い蜜が舌に感じます。ここからこの名がつきました。また薬効が大きく、昔から腫れものができた時、葉を灰の中に入れ、変色した葉を揉んで貼り、吸い出し薬として利用したのも、名の由来の一つです。「カズラ」は蔓の意。スイカズラの葉は冬でも枯れず落とさないので、漢字で「忍冬(にんどう)」と表します。

 蔓の絡みつく様子から、日本文化の唐草文様の原形の一つとしてデザイン化されました。法隆寺の瓦に、「忍冬唐草文字瓦」と記されたものがあるといいます。

 2年前アメリカのニューヨークへ出かけた折、道路沿いや明るい山林、公園などでスイカズラを見かけました。花の大きさが日本のものより小さく、群生していました。さらに驚いたことはナイヤガラの滝周辺での大群落。樹木が生育している崖はほとんどスイカズラで覆われていたのです。観光客全員が滝を見ている中、私一人が違った場所に目を向けていたのでした。最近、北アメリカやニュージーランドの森林帯等いたる所に侵入し、クズやイタドリと並ぶ強害草となり、駆除の対象になっているようです。

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