記者が訪ねる かなざわの名刹 第25回三療山医王院 薬王寺
鎌倉時代初頭、追浜で命を落とした源範頼。その菩提を弔おうと建立された「三愈山遍照坊(さんゆうざんへんじょうぼう)」がルーツだ。秘仏となっている本尊・薬師如来は、範頼の念持仏とされている。
かつては、称名寺の僧たちの療養所だったという言い伝えもある。山号と院号に「療」「医」が使われているのは、その名残なのかもしれない。
一時おとろえるも、室町時代に尊誉(そんよ)法印によって中興された。しかし、1858(安政5)年に大火に見舞われ、本堂が焼失。永らく仮本堂が置かれることとなったが、第二次大戦後に檀信徒らの協力で再建。現在は36世・鹿野融雅住職が寺を守る。
1975(昭和50)年には、弘法大師誕生1200年を記念し、金沢町にある境内飛地に「高照山地蔵院三宝寺(さんぼうじ)」が創始された。本尊は地蔵菩薩。江戸末期に合祀された三カ寺の檀家や住職を供養しようと、高野山からもたらされた。薬王寺、そして三宝寺の両輪で、信仰の輪を広げている。
【本尊】薬師如来
【宗派】真言宗御室派
【住所・電話】金沢区寺前2の23の52 【電話】045・701・8646
(資料・金沢区仏教青年会
「かなざわ霊場めぐり」1994年)
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