横浜南法人会の会長に就任した 山田 淳二さん 谷津町在住 66歳
受け継がれる、発想力
○…かつて父が副会長を務めた横浜南法人会―。この5月、横浜南部で約3千社の会員を束ねる会長の座に就いた。昨年はプロジェクトリーダーとして、公益社団法人化に奔走。「頑張ったんだから会長やってよって言われてね」。その第一歩を先頭で引っ張る。
○…終戦後、都市の時代が来ると、新天地を求め谷津町に食酢工場を興したのが父親の代。大学1年の頃、突然の兄の死で人生が一変する。家業を継ぐため東京農業大学の醸造学科に編入。卒業後、修業先の長野県で運命の出会いが。「みどりの窓口で目があった」と白い歯を覗かせる。夜行列車を待つ間、時間を共にしたのが今の妻。わずか1カ月後、金沢区に会いにきたという。「親父が気に入って、3月に結婚しろって」。実は同じ頃、別の女性からもラブレターを贈られていたというモテる男に父が下した決断だった。
○…現在は父が育てた和食材の卸業を守りつつ、飲食店のオーナーを務める。「もう本業だけでは時代についていけないと思った」。発想の柔軟さは父親譲りだ。モットーは有言実行。「言ったことはやるよ。できねぇなら言うなってこと」。週に2度ほど早朝に、飲食店のチラシを配る。「この前は1400枚まいた。模範たれってことかな」。トップ自ら行動するその姿に、店長たちがやる気を出したという。「健康のために今日は3万5千歩も歩いたって、考え方を換えれば苦も苦じゃなくなるんだよ。本当は腰が痛くって湿布貼ってるけどさ」と笑う。
○…高校時代に夢中になったサッカーを、小学1年だった長男が始めたのは30年前。父の背中を追いかけ農大に進み、酒蔵での修業も積んだ。同じ道を歩もうとしている。「嬉しいけど大変だろうな。親父は尊敬しているが、何も言わない人で苦労したから、息子には教えていこうと思うよ」と父親の顔を覗かせる。柔軟な思考と行動力は次の代へと受け継がれててく。
|
<PR>