6月に和歌山の大会で優勝した海の公園のライフセーバー 近藤毅歩(たけほ)さん 逗子市在住 25歳
人命救助に妥協なし
○…ひと夏で約13万人の海水浴客が見込まれる海の公園で人々を見守る。25年の歴史を持ち約100人のメンバーが所属する海の公園ライフセービングクラブの「パトロールセクション」で、サブリーダーを務める。
○…ライフセービングは大学1年から始めた。動機は「楽しそうに見えたから」。プールでは100mほどしか泳げず、より難易度の高い海では「自分が溺れて助けられるような立場だった」という。思った以上の難しさに、最初はひと夏で辞めようと思っていた。しかし日々の活動の中でその考えは消えた。「お客さんが1人でもいればしっかり監視し、何かあれば砂浜を全力でダッシュ。妥協のない先輩の姿に、熱く惹かれていきました」
○…参加2年目で監視中の事故を経験した。「溺れている人がいる」という通報で駆け付けると、要救助者はすでに脱力し海に浮かんだ状態。心肺蘇生を試みたが助からなかった。海の公園は波も無く、監視体制もしっかりしている。「事故は起きないはず」―自身の甘い考えを責めた。「誰よりも早く助けを待つ人のもとへ駆け付ける力を持ちたいと思うようになりました」。自分を追い込み、ライフセービングの訓練に打ち込むようになった。そして今年6月、和歌山のライフセービングの能力を競う大会に出場し、「サーフスキー部門」で優勝。「次の目標は全日本大会での優勝です」と言い切る。現在は葉山消防署に勤めながら、ライフセービングに参加。人命救助の「プロ中のプロ」になるため、日々奮闘する。
○…逗子市在住。住まいは海まで数分の距離だ。海の景色を眺めることが好きで、オフの日もよく泳ぐ。好きな音楽はサザンオールスターズなど砂浜によく合う曲。「夏は毎日の仕事にライフセービング。休日も海ばかり。彼女がいても、夏が来ると破局してしまうんです」と寂しそう。「それでもやっぱり、海が好きなんです」と力強く頷いた。
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