「ふるさと侍従川に親しむ会」の新代表を務める 山田 陽治さん 磯子区中原在住 43歳
侍従川をイーハトーブに
〇…「ここ侍従川にこだわっているのは、やはり大道で生まれ育ったから」――。ふるさと侍従川に親しむ会の設立当初から活動に参加。「最初は遊び半分だったよ」と笑う。それから22年。今年6月から、新代表を務める。同会は河川流域の活動を中心に実績を重ね、広く存在感を示す環境団体に成長した。「少しでも会をいい方向に引っ張って、次の世代にバトンタッチしたい」と話す。
〇…「子どもの頃は、本当に汚い川だった」と川を見ながらつぶやく。「探検家になりたかった」という少年時代。山菜の本を親にねだり、食べられる野草を山に探しにいったり、釣りに行って獲った魚をからあげにしたり。金沢区の自然の中を縦横無尽に遊びまわり、生き物や植物、自然環境を五感で理解する力を磨いていった。「海山にこだわらず興味の幅が広いのは、そういう経験のせいかも」と顔をほころばせる。
〇…同会に出会った20代は、「スーツを着る仕事はしたくない」と、定職に就かず社会に適応できない自分に迷っていた時期だった。「働いたことはあったけど、やはり割り切れなかった」。そんな中、同会で小・中学生のリーダー的存在として様々なイベントを企画するようになる。「侍従川源流までさかのぼり、下水溝を探検したり、野島橋から飛び込んだり。楽しかったなあ」。建前がなく本音でつきあえる子どもたちとの活動に、自分の居場所を見出すようになった。
〇…現在はNHKEテレの自然教育番組への出演や小学校への環境出前講座など、「森の遊び人」として活躍の場を広げている。「自分の役割はひとりでも多くの子どもを自然の入り口に立たせること」と言い切る。そのためのプログラムを作っていきたいという。「体力的には落ちてきたけど、スキルはあがってきた。侍従川を自然と文化と人の暮らしがつながったようなイーハトーブ(理想郷)にしたい」と力強く語った。
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