釜利谷高校レスリング部 東京五輪に意欲 アジア覇者輿水さん筆頭
東京五輪の開催に続き決定した「レスリング競技存続」は、釜利谷高校レスリング部にとっても嬉しい知らせだった。このほどアジア覇者になった輿水ゆめみさんを筆頭に、少人数ながら健闘する同部を取材した。
今年2月に五輪の中核種目から外され、存続が危ぶまれたレスリング競技。9月9日(日本時間)に行われたIOC総会で五輪での存続が決まったことを受け、釜利谷高校レスリング部の選手も歓喜するとともに新たな意欲に燃えていた。
「私もレスリング存続の署名に協力しました」と話すのは、2年生の輿水ゆめみさん。「東京五輪の頃は23歳。レスリングをしている以上、五輪は目指すべき場所です」と前を見据える。
輿水さんは7月28日にモンゴルで行われたアジア・カデット選手権の60kg級で優勝し、アジア王者となった。2月の全国大会で準優勝し、初めて出場権を獲得した国際大会だった。
アジア大会の60kg級には各国から7人の選手が出場。1回戦シードののち2回戦はモンゴルの選手が相手だった。力が強く、体も大きかったが、一瞬の隙をついて相手の両肩を床につける「フォール」を獲得し、決勝にコマを進めた。決勝戦の相手はカザフスタンの選手。タックルを決められそうになったが冷静に対処。ポイントを積み重ねて勝利した。「驚きが大きかった。勝っちゃった、という感じ」と印象を話す。
「試合中、動かすべき足が止まってしまうことが多い」と現在の弱点を自己分析。「技術と実力をもっと磨いていきたい。全国、世界にはもっともっと強豪がいるから」と意気込む。
少数ながら厚い層
同校のレスリング部は3年前、現顧問で県レスリング協会理事長の枝迫興一郎教諭が創設。当時の部員は現3年生の三浦由起子さんのみで、マンツーマンの指導だった。現在も輿水さんを含め女子2人、男子4人と少人数。県内でレスリング部がある高校は数校のみで、女子レスリング選手がいるのは同校だけだ。
しかし「マイナーだからこそ『やってやろう』と根性を発揮する選手が多い」と枝迫教諭は話す。日本レスリング界は少数ながら層が厚く、ジュニア、中学生、大学生、社会人の各々の部門で世界覇者を排出している。五輪出場を目指すには、こうした国内の強豪選手と渡り合わなければならない。
8月のインターハイでベスト8の成績を収めた三浦さんも「大学進学後もレスリングを続け、五輪を目指したい」と話す。枝迫教諭は「現在の中学から大学生の選手が東京五輪での活躍が期待されるだろう。その中にうちを出た子がいれば」と希望を話した。
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