悩みを抱える人の電話相談や、独居高齢者宅への安否確認を兼ねた電話を行う「こころの電話金沢」(渡辺芙美江理事長)は来年1月、NPO法人格取得10年を迎える。これに先駆け12月15日、金沢公会堂で記念講演会が行われた。
この日は元NHKアナウンサーの町永俊雄さんが登壇、自殺者の問題について話した。また渡辺理事長は10周年にあたり「今年の漢字となった『輪』は、まさに私たちの目指すもの。これからもこころの電話の『輪』をつなげていきたい」と話した。
孤独死増加に伴い発足
1995年5月に同団体の母体となる組織が発足した。全国的に孤独死の問題が増えていた時代だった。地域福祉に興味を持っていた渡辺理事長は、独居高齢者宅への電話により、定期的な安否確認をする組織が地域に求められていると思い、組織の立ち上げを決意したという。「一週間に一度だけの電話だったが、相手の高齢者が元気になっていくのを感じた」と当時を振り返る。
現在は総勢70人弱のスタッフで、高齢者宅への電話に加え、独居高齢者宅への訪問活動、さらに全国からの「電話相談」を受け付けている。とりわけ電話相談数は昨年度だけで4324に上っており、年々増加傾向にあるという。
相談を受ける際、最も気を付けることは「傾聴」することだ。こちらから解決策を提示は決してせず、「話してもらう」ことに重点を置く。それによって相手の気持ちの整理を促すのだという。さらに定期的な研修によって互いに傾聴の技術を磨いている。
親への恨みや、ストーカー被害など、根深い悩みも多い。電話相談で一時的に明るくなっても、次の日にはまた暗い声で相談の電話をかけてくる人もいる。渡辺理事長は「何年もかけてようやく明るくなった人もいます。だからこそ、これからも活動が続けていきます」と力強く話した。
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