金沢区災害時要援護者支援 個人情報を地域と共有 安否確認の旗を配布
金沢区はこのほど、災害発時要援護者が無事を伝えるために掲げる旗を製作した。他区に先駆け、行政の持つ個人情報を同意の上で自治会・町内会に提供できる「情報共有方式」を使い、要援護者に旗を渡していく予定だ。
昨年8月の「横浜市震災対策条例」改正で、10月から使用が可能になった情報共有方式。行政が把握する介護保険認定者3以上、身体障害者手帳1〜3級の保持者らの「要支援者」の情報を、本人が拒否しない場合に限り、協定を結んだ自治会・町内会に提供する。
自治会・町内会で独自に作る名簿の多くは「手上げ方式」を採用しているが、自発的な登録者を募るため、情報に限りがある。情報共有方式は、それを補う役割が期待されている。
今回製作されたのは区の広報キャラクター「ぼたんちゃん」が描かれた、A4サイズの旗。災害発生時に、要援護者が家の外から見やすい場所に掲げる。支援者はひと目で安否確認ができるようになるという。
これまで希望のあった自治会・町内会に2000枚を配布。各団体で独自に作成された名簿をもとに、それぞれの要援護者に渡される。3月末からは、情報共有方式を用いて2500枚を配る予定だ。
顔の見える関係づくりを
昨年6月の災害対策基本法の改正で、全国の市町村ごとに避難行動要支援者名簿の作成が義務付けられた。区内では173ある自治会・町内会のうち約7割が名簿を作っている。
西大道町内会(佐波弘之会長)は10年、市のセーフティネット推進モデル地区に選ばれたことを機に、名簿作成に着手。手上げ方式で希望があった138人の氏名や連絡先のほか、通院先の病院や必要な薬などの情報をまとめた。同数の支援者も募り、周囲3軒以内の範囲で要援護者の担当を決めた。この名簿をはじめ、災害対策への積極的な取り組みに理解が深まり、昨年2月の町内会の防災訓練参加者数は4年前の2・7倍になったという。
安否確認の旗について佐波会長は「今まで個人情報につながるのでできなかった」と話す。行政を通して意思を確認すれば、了承を得た要援護者に旗を配ることができる。今後はこの名簿をもとに、要援護者を訪問するなどし「顔の見える関係」を築いていく。
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