脂がのって魚が美味しくなる秋。11月1日の「すしの日」を前に、金沢寿司商同業組合の大山康正会長(は満寿司)に話を聞いた。
「30年ほど前は、すしの日になると行事をしていた。抽選会とか特売とか」と懐かしむ。祖父母から店を継いだ1971年、区内には組合加入店だけでも約40軒の寿司店がひしめいていた。今では22軒に。後継者不足に加え回転寿司、宅配、スーパーなど「寿司の多様化」も原因の一つにある。「金沢は踏みとどまっている方。10軒ない区もあります」と話す。各店の努力もさることながら、南部市場や漁港の近い好立地が大きいという。「住んでいる人たちも魚に馴染みがありますから」
水銀汚染やオイルショック――これまでも逆風は何度も吹いた。「でも変化はあまり感じていない。続けられているのは、これまでの積み重ねなんだと思います」。多様化がもたらしたのは悪影響ばかりではない。「炙り」などのメニューも多くの寿司店で扱うように。「もともとヒラメも刺身で出していたのが、昆布締めをするようになって…」。そうして変化してきた。「これがずっと正統というのはない。道理がかなわないものは出せないが、美味しく提供するのが第一」
季節のネタを楽しめる寿司店、手軽に味わえる回転寿司や宅配――「違いを楽しんで、使い分けをしてもらえれば」と話していた。
「すしの日」…全国すし商生活衛生同業組合連合会が61年に制定した。
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