かねさわ地名抄 第39回「片吹」文・NPO法人横濱金澤シティガイド協会
この地区に土地を持つ人が昭和40年頃に登記した権利書では、地目「山林」となっているはずです。その昔は里山で町はなかったと思われます。
『新編武蔵風土記稿』久良岐郡金沢領町屋村の項に、小字として「カタブキ 東北ナリ」とあり、この小字にちなんで名付けられたといわれています。
1939(昭和14)年の町界町名地番整理事業の施行にともない、金沢区谷津町から新設しました。古くは久良岐郡谷津村といい、1889(明治22)年市町村制施行の際、金沢村字谷津となります。1926(大正15)年1月1日に町制を施行し、現在に至ります。
明らかに谷津の一部だった片吹、土地の人は風向きが少し変わったものの以前から強い風が吹いていたというから、海からの風が谷戸に向かって吹いていたのだろうといいます。
『古代地名語源辞典』には、「片山―片側に山を控えた地」「片依―山に近い、山寄り」「片岡―片側が岡」などの例があるようで、片吹も片一方から風が吹くと考えてもおかしくないでしょう。小字「カタブキ」もそんなところから来たのかもしれません。
現在の片吹は京浜急行の能見台駅と金沢文庫駅の中ほどの国道16号線を挟んで西側一帯とその東側の帯状に細長い一帯をいい、この辺りは低いながらも山や谷の連なる丘陵地帯でしたが、開発造成が盛んで、現在みるように大きく変化しました。
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